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髪のお悩みQ&A

ヘアカラーの後にラップをするのはなぜですか?

僕も初めて美容室でカラーをした時に


「なぜにラップ?」


と思った事があります。


担当の美容師さんに聞いて


「へぇ〜」と感心したもんです。



カラーリングをする時にラップをするのはカラー剤の効果を最大限に利用する為に使っていますが、ラップをしない場合や時間が経って暫くするとラップを外す事がありますよね?


カラーの仕組みを知っていれば、「なるほど〜」となるかもしれませんね。


では解説していきましょう。



カラーをする時にラップをする理由その1


「保湿する」


カラー剤は粘性のある物質でクリーム状になっていて水分を含んでいます。


ラップをしないでそのまま放置しておくとエアコンで乾燥してパキパキになります。(店内は常にエアコンついてるので)


乾燥するとカラー剤が均等に発色しにくくなり、仕上がりがムラになりやすい可能性が生まれます。


これは非常にまずいですよね。


さらにカラーが染まっているかチェックする時にコームが引っかかって髪を傷めるのも防ぎます。



カラーをする時にラップをする理由その2


「保温する」


カラー剤を塗った後って寒いですよね?


特に冬。


カラー剤は室温管理なので真冬のカラーなんてめっちゃ寒くなりますし、夏は夏でエアコン効いてるから、これまためっちゃ寒くなるんですよね。(個人的な見解です。)


でもラップをすることによって、自分の体温が35℃〜37℃ある為、ラップの中はあったまってきます。


ラップ内の頭の温度が高くなるとキューティクルが開き、カラー剤が浸透しやすくなます。


カラー剤が早く浸透すると明るくなりやすくなりますので、ラップでの保温は時間短縮にもつながります。


ラップをする事で頭が均一に保温されるため、仕上がりのムラが少なくなりますが、塗布量の問題もあるので一概には言えません。


しかし、ラップをしていないと襟足(ネープ)のところは塗布量を多めにしても明るくなりづらいので、トーンアップをする際はラップが必要になります。


ラップの巻き方にも注意しています。


ギュ〜ッと巻いてしまうとラップ内の温度が上がってしまい明るくなりすぎてしまうので、フワッとかけてあげるのがコツです。



カラーをする時にラップをする理由その3


「酸化させない」


カラー剤を髪に塗布すると


浸透 → ブリーチ →発色


の順番で作用が起こります。


「保温」は浸透とブリーチを促進する効果を目的としていますが、「酸化させない」というのは発色を遅らせる目的が多いです。


ではなぜ発色させないか?


カラー剤は髪に塗布すると浸透してブリーチされ明るくなり、その後色味が髪に入っていくという特性があります。


ラップをしないでそのまま放置すると、空気に触れて酸化が進んでしまい発色して色味が先に入りすぎてしまいます。


そうすると根本が明るくなり、毛先に色味が入りすぎて暗くなってしまい、仕上がりがムラになってしまいます。


そういった事を防ぐため、その2で説明したように、最初は頭の熱を利用しブリーチ力を上げ明るくし、その後ラップを外して空気に触れさせ酸化させることで色味が入るといった感じで発色を遅らせ均一に染まるように調節するのです。


では逆に酸化させていいカラーはラップをしなくていいことになります。


酸化させていいカラーとは、色味だけ入れるカラーや明るくする必要がないカラーの事を指し、主にトーンダウンや黒染めがあたります。


このようなカラーをする際はラップをする必要がありませんのでしない方も多いのではないかと思います。


しかしラップをするのにはクロスや首やお顔などが汚れないようにする意味もありますし、乾燥を防げるので僕はほぼラップする美容師です。


白髪染めにもラップは効果的だと思います。


白髪染めは白髪が浮きやすいのでペーパーを貼る事が多いです。


それでも短い白髪なんかは結構浮きやすいんです…


そこでラップの登場。


トーンアップのときはフワッとかけますが、白髪染めの場合はペーパーで白髪を押さえた後にラップをしっかりすると、白髪が浮きにくくなります。


またマニキュアの時は保温して温度が上がりすぎてしまうと、頭皮にマニキュアがつきやすくなってしまいますので、フワッとラップをかけた後の放置時間は10分程度にして調節しています。



このようにラップをする理由は沢山あります。


セルフカラーの際にもラップは効果的だと思いますので、ご自分で染められる際はラップをしてみて下さい。


補足ですが、サロンで使用しているラップはカラー専用のものもありますが、スーパーで売っているラップでも十分使用できます。


コスパが良いものは切れ味が落ち、くっついてしまうのが非常に使いづらいという難点がありますが特に問題ありませんので使ってみて下さいね。



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