ヘアカラーで一度かぶれたことがあると、もうカラーは出来ないですか?
ヘアカラーでかぶれたことがある人って結構いますよね。
問い合わせが多かったのでいくつかの症状例をあげてみます。
例1.白髪染めをすると頭皮が痒くなる。
例2.美容室から帰って次の日になると顔が腫れてしまった。>br>
例3.頭皮に赤みのある湿疹が出来た後に、皮膚から汁が出てきた。
例4.病院に行ったら「ジアミンアレルギー」と言われた。
例5.髪の毛が抜け脱毛症状が出た。
例6.ブツブツの湿疹が頭だけでなく顔や腕、全身にでてしまった。
当店でも先月まで何事も問題無く白髪染めをしていたのに、ある日を境に突然湿疹が出てアレルギーになってしまい、ヘアカラーで染められなくなってしまったお客様が数名いらっしゃいます。
今回はヘアカラーにおける恐怖事項の1つである「かぶれの原因」についてご説明します。
「かぶれ」には2種類の接触皮膚炎があります。
1つ目は「一次刺激性接触皮膚炎」
2つ目は「アレルギー性接触皮膚炎」です。
一次刺激性接触皮膚炎は化学物質(刺激物質)などが皮膚に接触した時に起こる皮膚炎の炎症で、「急性刺激性皮膚炎」「累積刺激性皮膚炎」「皮膚疲労性皮膚炎」があります。
急性刺激性皮膚炎はカラー剤やパーマ剤のアルカリ剤によって起こる皮膚炎です。
累積刺激性皮膚炎は毎日行うシャンプーやトリートメントによって起こる皮膚炎です。
皮膚疲労性皮膚炎は全ての薬剤によって起こる皮膚炎です。
一次刺激性接触皮膚炎は刺激物が最初に接触した次点で一次的に反応します。
痒みや紅斑、落屑、丘疹などの炎症を引き起こしますが、早期に対応すれば1〜数日で治癒できます。
刺激性接触皮膚炎は体質に関わらず誰にでも起こり得る可能性がありますが、得に皮膚が敏感な人は注意が必要です。
私も皮膚が弱いのでカラーやパーマをすると顔周りが真っ赤かになります。
対処として顔周りにワセリンを塗りまくってますが、ベトベトして気持ち悪いです(笑)
で、ヘアカラーで問題になっているのは、「アレルギー性接触性皮膚炎」
アレルギー性接触皮膚炎はアレルギーの原因となる物質(アレルゲン物質)に対して過剰なアレルギー反応(免疫反応)が出てしまう皮膚炎のことです。
アレルギー反応のタイプは遅延型アレルギーと即時型アレルギーに分類されています。
ヘアカラーにおける場合、カラーをしてから数時間〜1日以内に頭皮が痒くなって赤みや腫れ、湿疹の症状が出始め、染めてから48時間後に最もひどくなる「遅延型アレルギー」がほとんどです。
症状がひどい場合だと顔全体が腫れてしまったり、頭皮の湿疹から液が出たり、脱毛症状が出たり、さらに身体全体まで皮膚炎が拡大され呼吸困難になることがあります。
症状が軽いから大丈夫と思い込み、繰り返しカラーをしていると、突然重い症状が出る(アナフィラキシーショック)こともあります(即時型アレルギー)。
アレルギー反応は今まで発症したことがなかった場合でも、突然発症することもありますので注意が必要です。
ヘアカラーでかぶれる原因は酸化染料である
「ジアミン」
が原因です。
このジアミンは殆どのアルカリカラー剤に配合されているもので、代表的なものだと「パラフェニレンジアミン」「硫酸トルエンー2.5ージアミン」と表記されています。
アルカリカラー剤は白髪染めでもおしゃれ染めでも、髪の毛を明るくしたり暗くしたりする事が出来るカラー剤のことで、ブリーチやライトナーなどの脱色剤や脱染剤にはジアミンが配合されていません。
ジアミンアレルギーと診断されるケースの方は、殆んどが白髪染めでカラーリングしていることが多く、そして「ジアミンアレルギー」になってしまうと、サロン用、市販用、メーカーや商品ブランド、色番に関わらず、2度とアルカリカラーは使えなくなってしまうんです。
では、ジアミンがなければいいじゃんってことなんですが、現在販売されているカラー剤の種類は数千種類あり、それだけの色を出せるのはジアミン以外にないからです。
コストもかからないと言う説もありますが…
ではジアミンアレルギーになったらカラーはできないのか?
いやいやそんな事はありません。
最近では「ノンジアミン」のカラー剤が各メーカーから発売されたり、新しい染料で染める「グロスカラー」というカラー剤も発売されています。
ただし明るさ、色味には限界がありますので染めるには工夫(技術)が必要です。
どうしても明るいアッシュグレージュにしたい!ってご要望でしたら、
例えばジアミンが入っていない脱色剤を使って髪の毛を明るくしてから、その後に塩基性カラーやグロスカラーで染めるという技術があります。
しかしここで重要なのはカラー剤を混ぜるカップや塗布するハケなどはジアミン入りのカラー剤を1度も使ったことのない物を用意しなくてはいけません。
少しでもジアミンが残っているとアレルギー反応が出てしまう恐れがありますからね。
ただしダブルカラーの工程になりますのでお時間や料金など、またカラー剤の取り扱いはサロンによっても違いますので事前に確認が必要になってきます。
でもね、やっぱりオススメはヘアマニキュア。
明るくしたいカラーだと希望の色にするのは難しいですが、白髪染めならジアミンアレルギーと診断されたとしても、酸性カラーのマニキュアなら絶対安全ですし、希望の色味にすることができます。
ジアミンアレルギーは本当に怖いものなので、もし頭皮に異常があったらすぐにお知らせ下さい。
またなるべく早く医療機関に行くことをオススメしています。
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